はじめに

今年の夏は暑かったですね。東京都心では90日以上の真夏日を観測。
そしてつい先日まで半袖で歩いていたのに・・・・吹きすさぶ風が冷たい今日この頃。
師走も目前。工期の限られる仕事も多くなってきているのではないでしょうか？

「雨などで濡れたコンクリート床がなかなか乾かなくて塗装に入れない。」
「乾燥させたけれど、下地コンクリートに水分が残っていないか心配だな。」
などと思った経験がある方も多いのではないでしょうか？

工期が限られる中、頭を悩ませる要因の一つが下地の水分量です！

下地に水分が残ったまま塗装すると、
塗膜の剥離やフクレなどの不具合のリスクが高まってしまいます。
雨が降っている時と湿度が高いときは塗装は避けた方がよい？？～塗り床における湿度、下地水分量によるリスク～

そこで下地水分の影響を緩和し、剥離やフクレを抑制するプライマーが
今回紹介する「フローン湿潤面用プライマー」です！！

フローン湿潤面用プライマーの特長

ではまずはフローン湿潤面用プライマーについて、説明していきましょう。

特長まとめ

フローン湿潤面用プライマーは、令和5年5月に発売されました。
特長としては、
・樹脂と専用パウダーの組み合わせで湿潤コンクリート・モルタル面に強力に密着
・下地の水分量の多さから発生するフクレを抑制
・剥離等の不具合リスクを軽減
といった、「完全に乾くまで現場ストップ」と言ったお悩みを解決できるプライマーです！

従来、湿潤面下地に対して施工する際は、
下地が乾燥状態になるよう充分な養生期間が必要でしたが、
フローン湿潤面用プライマーを使用することで、
養生期間の短縮、不具合のリスク軽減が可能となります。

容量・荷姿など

3成分で16㎏/setのご用意となります。

主剤4㎏、硬化剤4㎏、パウダー8㎏の組み合わせで、
0.3～0.5㎏/㎡×1回塗で32～53㎡塗ることができます。
主剤、硬化剤入りの段ボールとパウダーの入った紙袋での出荷となります。

フローン湿潤面用プライマーが施工可能な下地状況

「湿潤面用と言っているけど、どれくらいの状態なら使用できるの？」
「湿潤面に対応しているなら、特殊な使用方法なんじゃ・・・？」
と思われる方もいるかと思いますので、
ここでは、施工可能な下地状態や使用方法についてご説明いたします。

塗装前の下処理

下地コンクリート表面に水が残っていない状態であれば、
コンクリート素地が多少濡れ色になっていても使用可能です！
もし、下地コンクリート表面に水が残っている場合は、ウエス等拭き上げてから
塗装をしましょう。
もちろん、時間が許す限り乾燥させられると安心です。

不具合の事例

塗装時に被塗物表面に水が残っていると、
フローン湿潤面用プライマーが表面の水分を含み、
硬化後の塗膜強度が低下しますので、ご注意ください！

過剰な水の影響を受け、塗膜強度が低下した場合は、
脆弱部を除去し、再度フローン湿潤面用プライマーを塗布してください。

フローン湿潤面用プライマーの使用方法

フローン湿潤面用プライマーは、
先述の通り、主剤、硬化剤、パウダーの3成分となります。
3成分だと「うっ」と思われる方も多いかもしれませんが、
使用方法は難しくありません。下記をご参照ください。

１．あらかじめ主剤、硬化剤をもみほぐし、一様な状態にする。
２．主剤、硬化剤を計量、混合し、電動撹拌機で1分間撹拌する。
３．撹拌しながらパウダーを混合、電動撹拌機で2分間充分に撹拌する。
４．下地の色が透けないよう、中毛ローラーまたはコテにて塗布する。

使用準備はこれで終了です。
混ぜ合わせた後は中毛ローラーやコテにて塗布することが可能です。

標準使用量(0.3～0.5kg/m²)を超えて塗布した場合、
割れやピンホールが生じる恐れがありますので、標準使用量を厳守してください。

フローン湿潤面用プライマーの上塗り可能製品

厚膜、中膜型の床材を施工する際は、
ピンホール防止のため、フローン湿潤面用プライマーの上に、
必ずフローンパウダーを混合したプライマー
（プライマー：フローンパウダー＝1：0.5～1）を塗布してください。

おわりに

さてフローン湿潤面用プライマーについてご紹介させていただきました。
下地の完全乾燥に勝る対策はありませんが、
工期の都合上養生期間が取れない、下地の水分が原因で剥がれてしまった！
といった現場に対しては効果を発揮する製品になっていますので、
ぜひ覚えておいてくださいね！

【注意】
本製品は下地水分によるフクレが発生しないことを保証するものではありません。
また外部から下地コンクリートに水分が供給されている等の
構造上の問題が発生している場合や、
内部に多量の水分が残っていた場合は、
一時的には密着しても経時で塗膜の剥離やフクレが発生する恐れがございますので、
予めご了承ください。

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