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塗料の基礎知識
2021/08/17

雨が降っている時と湿度が高いときは塗装は避けた方がよい??~塗り床における湿度、下地水分量によるリスク~

管理者用
ピックアップ商品紹介!
※ 写真は先日弊社上空に出た虹(よく見ると二重!)

「昨日は雨が降ったけど・・・・見た感じ、乾いているから塗っちゃった」

「雨は降ってないけど、じめじめする・・・・でも工期もあるし、塗装したよ」
「冬の寒い時期の夜に塗装しました。夜露とか、結露が心配・・・・」

弊社には、よくお客様からこういったお問合せをいただきます。
天候ばかりはどうしようもない、でも工期は迫っている、
だから仕方なく塗る・・・・ということもありますよね。

しかし!
水分は塗膜の敵!と言っても過言ではありません!
雨が降っている時や、高湿度の場合は、施工は避けた方が良いのです!

ここでは、水分量・湿度が塗膜にどのような影響を及ぼすか、について
説明していきますね。


 下地に水分が多く含まれている場合の不具合事例 
 不具合その1:膨れ 

下地の水分がその上の塗膜を押し上げてしまい、
塗膜の膨れが発生してしまうのです。

 不具合その2:密着不良 

下地の水分が下塗材の浸透を阻害し、下塗材の付着力を低下させてしまうと
密着不良が起こってしまいます。

では、下地に水分が多く含まれている場合はどうしたらよいのでしょうか?

 解決策 
①コンクリートの乾燥期間をしっかり取りましょう!
表面が濡れ色から乾き色に戻っていても、
内部では水分が多く残っている可能性があります。

こちらの写真をご覧ください。

これは、コンクリートの断面図です。
このように、上の部分は乾いているように見えますが、
下の部分は濡れたような色をしていますよね。
このように、表面が乾いていても、中に水分が入ってしまっていて、
この水分がフクレや密着不良の原因となってしまうことがあります。

では、実際はどのくらいまで乾燥させればよいのでしょうか?


②水分計を使ってコンクリートの含水率を測定しましょう!
Kett社製水分計(HI-250)を用いれば、
含水率を測定することができます。

塗装可能な目安は、表示値が5以下であること。
この写真は7.5ですから、塗装可能目安とは言えません。

でも・・・・
「水分計なんて用意していないし、面倒」
「そもそも水分計は持ってないよ・・・・」
という方もいらっしゃいますよね。
そんな時は!

③水分計がない場合は、ビニールで簡易試験をしてみましょう!

水分計がない場合でも、上記写真のようにビニールで覆ってガムテープで止めます。
そうすると、水分が含まれている場合は、下記写真のようにビニールが曇ってきます。

この方法では、簡易的に水分の有無が確認できますが、
あくまで目安となりますので、ご注意ください。

④新設コンクリートの場合、養生期間はしっかりと取りましょう!
新設コンクリートの養生期間は、
夏場で3週間、冬場で4週間が目安となります。
また、水分だけではなく、表面強度が得るためにも、このくらいの期間が必要です。
必ず養生期間はしっかりと取って下さいね。

では、次に
「雨は降っていないけど、湿度が高い・・・」
という時の不具合事例を見ていきましょう。


 高湿度時の施工による不具合事例 
 不具合その1:塗膜の艶引け 


 不具合その2:色わかれ 


 不具合その3:白化 


このように、雨が降っていなくても、湿度が高いときの施工は
降雨時の塗装と同じくらい非常にリスクを伴います。
そのため、降雨時・高湿度時は、施工はできるだけ避けましょう

降雨時・高湿度時は、屋外の塗装はもちろん不可ですが、
屋内の塗装でも、空調がない場所で、
湿度が80%以上の場合も、施工は推奨いたしません
また、湿度が80%未満の場合でも、湿度が高い場合は十分な注意が必要です。

「でも工期があって、どうしても施工しなければならない!」
という時もありますよね。
そのようなときは、どうすればよいのでしょうか?

それは、送風機を設置、換気をしっかりとするなど、
空気循環を良くすることで、状況が少しは良くなることがあります
そのため、やむを得ず、雨の日に屋内での施工をする場合は、
必ず風通しをよくするという対策をしっかりと取りましょう。

※ 霧が発生しやすい時期は、夜間に気温が下がる傾向がありますので、
  床面が結露する場合があります。注意しましょう!

いかがでしたでしょうか?
これから雨の多い季節がやってきます。
高湿度や降雨にはできるだけ気を付けて、
きれいな塗膜を手に入れましょう!