塗料の基礎知識
2021/10/13
外壁塗替えシリーズ第1弾!外壁の素材と種類ってどんなものがあるの?~外壁素材用語集~
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床材や防水材を施工する際は、
「下地を見ましょう!」「不具合がないか確認しましょう!」
とよく聞きますよね。
これはもちろん、外装材でも同じことが言えます。
ただ、外壁を塗りたい!と思っても、
素材は何だろう?と思うこともあると思います。
今回から「外壁塗替えシリーズ第1弾」と称し、
外壁塗替えの際の下地の種類や不具合など、様々な情報をお届けします。
そこで、
「戸建を塗替えたい!でも、何を使ったらいいだろう?」
というお問合せを良くいただきますので、
外壁の素材の種類について、お伝えいたします。
まずは、外装材の市場について。

戸建住宅の外装材には様々な種類がありますが、
その中でも70~80%を窯業系サイディングが占めています。
以前はモルタルが主流だったのですが、
現在は、戸建住宅のほとんどが窯業系サイディングといっても過言ではありません。
では、それぞれの素材の性能を見ていきましょう。

上記表から、窯業系サイディングは初期コストを抑えながらも、
デザイン性や性能に優れた外壁素材だということがわかります。
「ではうちも窯業系サイディングかしら?」
と思われる前に、下記にて、窯業系サイディングをはじめとする
現在日本で使われている外壁素材について、写真付で説明していきますね。
【窯業系サイディング】

セメントと繊維質・無機物を混ぜて板状に成形し、養生・硬化させた外壁材。
防火性・耐震性・耐久性など性能が非常に良いのが特長。
更に、工場での一括製造であるため、施工も容易で工期短縮にも繋がります。
また、比較的安価であることも、よく選ばれている理由の一つ。
タイル調、石調などデザイン性にも優れいているため、
様々な外観に使用が可能です。
<塗替えの目安>
シーリングのヒビ割れ、ボードの反り、チョーキング、色あせ、藻・カビ
【金属系サイディング】

ガルバリウムやアルミニウム、ステンレスの鋼板が使用されたサイディング。
上塗には、ポリエステル系や塩ビ系、ウレタン系などが用いられます。
窯業系サイディングと比べ、長期間メンテナンスの必要が少ないことが、
大きなメリット。
また、表面が水分を吸収しない鋼板製であるため、
耐凍害性にも優れいているため、寒冷地で使われることが多いです。
以前は窯業系サイディングと比べ、デザイン性に劣ると言われていたのですが、
最近では、レンガ調や石積み調などのデザインも出て来ていて、
メンテナンスの必要がないことも相まって、人気が高まってきています。
<塗替えのチェックポイント>
チョーキング、サビ、浮き、剥離
【モルタル】

ラス網と言われるモルタルの剥落を防ぐための網の上に
左官コテで塗りつけたもの。
このままでは耐久性・防水性に不安が残ってしまうため、
吹付タイルやリシン、スタッコなどの外壁塗装の下地材となります。
塗装職人の手によって仕上げられるため、味わい深い外壁になりますが、
工期がかかってしまうというデメリットもあります。
そのため、近年では窯業系サイディングに置き換わってきています。
では、モルタル面の仕上にはどのような種類があるのでしょうか。
⇒吹付タイル

表面が凸凹になるように、異なる塗装方法でベース吹きをし、
模様を付け、2~3層にし、
1~5㎜程度の厚さで吹き付ける複層仕上。
仕上げの方法には、玉吹き仕上と、
表面をつぶすヘッドカット仕上があり、それぞれ模様が異なります。
また、硬質タイルと弾性タイルがあり、
弾性タイルはモルタル面で発生したクラックを表面に起こりにくくする効果もあります。
<塗替えのチェックポイント>
チョーキング、塗膜の剥離、クラック、色あせ、藻・カビ
⇒リシン

薄付け仕上塗材と呼ばれる方法。
表面に細かい砂粒があり、ざらざらしていて艶もない。
仕上方法の中では、一番安価です。
素材には、セメント系とアクリル系のものがあり、
現在はアクリル系が主流。
また、ヒビ割れを起こりにくくする弾性リシンもあります。
改修塗装をする際、
リシンが下地だった場合は吸い込みが非常に激しいため、
しっかりと下塗を浸透させてから、中・上塗をする必要があります。
<塗替えのチェックポイント>
チョーキング、塗膜の剥離、ヒビ割れ、色あせ、藻・カビ
⇒スタッコ

厚付け仕上塗材と呼ばれる仕上方法。
リシンほどざらざらはしていないですが、非常に荒い仕上り。
リシンと同様、セメント系とアクリル系のものがありますが、
現在はアクリル系が主体となっています。
また、弾性スタッコもありますが、
改修塗装の場合、空隙部の熱膨張により、フクレが発生するため、
注意が必要となります。
<塗替えのチェックポイント>
チョーキング、塗膜の剥離、ヒビ割れ、色あせ、藻・カビ
【ALC】


ALCとは、軽量気泡コンクリートのこと。
耐久性が高く、地震にも強いのが特長です。
また、耐熱性に優れており、熱伝導率はコンクリートの約10分の1。
断熱材等と組み合わせることにより、夏は涼しく、冬は暖かい空間を
得ることができます。
しかしながら、防水性が低く、水に弱いため、
一度雨に濡れてしまうと、水分が蒸発しにくい性質があります。
そのため、そのまま塗装をしてしまうと、フクレが生じてしまう恐れがあります。
<塗替えのチェックポイント>
チョーキング、塗膜の剥離、ヒビ割れ、色あせ、藻・カビ、欠損
【タイル】

粘土・陶土・長石・石英などを砕いて成形し、高温で焼き固めた外壁材。
耐水性、耐火性、耐候性に優れ、
デザインやカラーのバリエーションも豊富です。
湿式と乾式の2種類の製法がありますが、一般的には乾式が多いです。
陶器質・磁器質があり、
外壁には吸水率が1%以下の磁器質が多く使用されています。
タイルの種類によっては、ケレン等の摩擦に弱く、
タイルの釉薬が剥がれてしまうことがあり、
塗装による不具合の原因になることもあるでの注意が必要です。
【RC】
鉄筋コンクリートのこと。
コンクリートは、圧縮の力には強いが引っ張られる力に弱いという欠点を、
鉄筋をいれることにより補強したものです。
鉄筋コンクリートは、気密性が高く、
耐熱性、遮音性、耐震性、耐久性に優れているだけではなく、
デザインの自由度が高いことも人気の一つです。
店舗やデザイナーズマンションなどでよく見られる、
いわゆる打ちっぱなしコンクリートや、
塗装をして色を付けるなど、様々な表現が可能です。
また、コンクリートは不燃材で耐火性があるため、
建物全体が耐火構造となります。
<塗替えのチェックポイント>
チョーキング、塗膜の剥離、ヒビ割れ、色あせ、藻・カビ、エフロ
【レンガ】

粘土や頁岩、泥を型に入れ、窯で焼き固めて作られた外壁材で、
耐久性、耐熱性、耐火性、遮音性が非常に高いのが特長です。
しかしながら、レンガ自体に独特の風合いがあるため、
一般的には塗装をすることはありません。
【しっくい】


古くから城郭・神社・民家・土蔵などに使われている外壁材。
瓦や石材の接着や目地の充填などにも使われています。
日本古来の独特な雰囲気があり、
耐水性、耐火性、耐候性に優れ、
デザインやカラーのバリエーションも豊富です。
しかしながら、改修塗装には、フクレ・剥離の恐れがあるため、
注意が必要です。
いかがでしたでしょうか?
外壁材といっても、本当に様々な種類がありますね。
床、防水材と同様、下地の素材は非常に重要になってきます。
今回の内容は、外壁塗装に詳しい方には非常に基本的な内容だと思いますが、
改めて確認するときや、塗装業界に入ったばかりの方、
外装材をこれからやっていきたいとお考えの方などの
お役に立てればと思います。
用語集などにもお使いいただけますと幸いです。
「下地を見ましょう!」「不具合がないか確認しましょう!」
とよく聞きますよね。
これはもちろん、外装材でも同じことが言えます。
ただ、外壁を塗りたい!と思っても、
素材は何だろう?と思うこともあると思います。
今回から「外壁塗替えシリーズ第1弾」と称し、
外壁塗替えの際の下地の種類や不具合など、様々な情報をお届けします。
そこで、
「戸建を塗替えたい!でも、何を使ったらいいだろう?」
というお問合せを良くいただきますので、
外壁の素材の種類について、お伝えいたします。
まずは、外装材の市場について。

戸建住宅の外装材には様々な種類がありますが、
その中でも70~80%を窯業系サイディングが占めています。
以前はモルタルが主流だったのですが、
現在は、戸建住宅のほとんどが窯業系サイディングといっても過言ではありません。
では、それぞれの素材の性能を見ていきましょう。

上記表から、窯業系サイディングは初期コストを抑えながらも、
デザイン性や性能に優れた外壁素材だということがわかります。
「ではうちも窯業系サイディングかしら?」
と思われる前に、下記にて、窯業系サイディングをはじめとする
現在日本で使われている外壁素材について、写真付で説明していきますね。
【窯業系サイディング】

セメントと繊維質・無機物を混ぜて板状に成形し、養生・硬化させた外壁材。
防火性・耐震性・耐久性など性能が非常に良いのが特長。
更に、工場での一括製造であるため、施工も容易で工期短縮にも繋がります。
また、比較的安価であることも、よく選ばれている理由の一つ。
タイル調、石調などデザイン性にも優れいているため、
様々な外観に使用が可能です。
<塗替えの目安>
シーリングのヒビ割れ、ボードの反り、チョーキング、色あせ、藻・カビ
【金属系サイディング】

ガルバリウムやアルミニウム、ステンレスの鋼板が使用されたサイディング。
上塗には、ポリエステル系や塩ビ系、ウレタン系などが用いられます。
窯業系サイディングと比べ、長期間メンテナンスの必要が少ないことが、
大きなメリット。
また、表面が水分を吸収しない鋼板製であるため、
耐凍害性にも優れいているため、寒冷地で使われることが多いです。
以前は窯業系サイディングと比べ、デザイン性に劣ると言われていたのですが、
最近では、レンガ調や石積み調などのデザインも出て来ていて、
メンテナンスの必要がないことも相まって、人気が高まってきています。
<塗替えのチェックポイント>
チョーキング、サビ、浮き、剥離
【モルタル】

ラス網と言われるモルタルの剥落を防ぐための網の上に
左官コテで塗りつけたもの。
このままでは耐久性・防水性に不安が残ってしまうため、
吹付タイルやリシン、スタッコなどの外壁塗装の下地材となります。
塗装職人の手によって仕上げられるため、味わい深い外壁になりますが、
工期がかかってしまうというデメリットもあります。
そのため、近年では窯業系サイディングに置き換わってきています。
では、モルタル面の仕上にはどのような種類があるのでしょうか。
⇒吹付タイル

表面が凸凹になるように、異なる塗装方法でベース吹きをし、
模様を付け、2~3層にし、
1~5㎜程度の厚さで吹き付ける複層仕上。
仕上げの方法には、玉吹き仕上と、
表面をつぶすヘッドカット仕上があり、それぞれ模様が異なります。
また、硬質タイルと弾性タイルがあり、
弾性タイルはモルタル面で発生したクラックを表面に起こりにくくする効果もあります。
<塗替えのチェックポイント>
チョーキング、塗膜の剥離、クラック、色あせ、藻・カビ
⇒リシン

薄付け仕上塗材と呼ばれる方法。
表面に細かい砂粒があり、ざらざらしていて艶もない。
仕上方法の中では、一番安価です。
素材には、セメント系とアクリル系のものがあり、
現在はアクリル系が主流。
また、ヒビ割れを起こりにくくする弾性リシンもあります。
改修塗装をする際、
リシンが下地だった場合は吸い込みが非常に激しいため、
しっかりと下塗を浸透させてから、中・上塗をする必要があります。
<塗替えのチェックポイント>
チョーキング、塗膜の剥離、ヒビ割れ、色あせ、藻・カビ
⇒スタッコ

厚付け仕上塗材と呼ばれる仕上方法。
リシンほどざらざらはしていないですが、非常に荒い仕上り。
リシンと同様、セメント系とアクリル系のものがありますが、
現在はアクリル系が主体となっています。
また、弾性スタッコもありますが、
改修塗装の場合、空隙部の熱膨張により、フクレが発生するため、
注意が必要となります。
<塗替えのチェックポイント>
チョーキング、塗膜の剥離、ヒビ割れ、色あせ、藻・カビ
【ALC】


ALCとは、軽量気泡コンクリートのこと。
耐久性が高く、地震にも強いのが特長です。
また、耐熱性に優れており、熱伝導率はコンクリートの約10分の1。
断熱材等と組み合わせることにより、夏は涼しく、冬は暖かい空間を
得ることができます。
しかしながら、防水性が低く、水に弱いため、
一度雨に濡れてしまうと、水分が蒸発しにくい性質があります。
そのため、そのまま塗装をしてしまうと、フクレが生じてしまう恐れがあります。
<塗替えのチェックポイント>
チョーキング、塗膜の剥離、ヒビ割れ、色あせ、藻・カビ、欠損
【タイル】

粘土・陶土・長石・石英などを砕いて成形し、高温で焼き固めた外壁材。
耐水性、耐火性、耐候性に優れ、
デザインやカラーのバリエーションも豊富です。
湿式と乾式の2種類の製法がありますが、一般的には乾式が多いです。
陶器質・磁器質があり、
外壁には吸水率が1%以下の磁器質が多く使用されています。
タイルの種類によっては、ケレン等の摩擦に弱く、
タイルの釉薬が剥がれてしまうことがあり、
塗装による不具合の原因になることもあるでの注意が必要です。
【RC】
鉄筋コンクリートのこと。
コンクリートは、圧縮の力には強いが引っ張られる力に弱いという欠点を、
鉄筋をいれることにより補強したものです。
鉄筋コンクリートは、気密性が高く、
耐熱性、遮音性、耐震性、耐久性に優れているだけではなく、
デザインの自由度が高いことも人気の一つです。
店舗やデザイナーズマンションなどでよく見られる、
いわゆる打ちっぱなしコンクリートや、
塗装をして色を付けるなど、様々な表現が可能です。
また、コンクリートは不燃材で耐火性があるため、
建物全体が耐火構造となります。
<塗替えのチェックポイント>
チョーキング、塗膜の剥離、ヒビ割れ、色あせ、藻・カビ、エフロ
【レンガ】

粘土や頁岩、泥を型に入れ、窯で焼き固めて作られた外壁材で、
耐久性、耐熱性、耐火性、遮音性が非常に高いのが特長です。
しかしながら、レンガ自体に独特の風合いがあるため、
一般的には塗装をすることはありません。
【しっくい】


古くから城郭・神社・民家・土蔵などに使われている外壁材。
瓦や石材の接着や目地の充填などにも使われています。
日本古来の独特な雰囲気があり、
耐水性、耐火性、耐候性に優れ、
デザインやカラーのバリエーションも豊富です。
しかしながら、改修塗装には、フクレ・剥離の恐れがあるため、
注意が必要です。
いかがでしたでしょうか?
外壁材といっても、本当に様々な種類がありますね。
床、防水材と同様、下地の素材は非常に重要になってきます。
今回の内容は、外壁塗装に詳しい方には非常に基本的な内容だと思いますが、
改めて確認するときや、塗装業界に入ったばかりの方、
外装材をこれからやっていきたいとお考えの方などの
お役に立てればと思います。
用語集などにもお使いいただけますと幸いです。