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塗料の基礎知識
2025/04/09

これで完璧!ウレタン防水の基礎と応用まとめ読み!

管理者用
ピックアップ商品紹介!

はじめに

新年度あけましておめでとうございます。
今年もまた皆様と新しい年度を迎えられたことを嬉しく思います。
この記事を見られている方の中には、職場の環境が変わった方や
新しく何かを始める方がいらっしゃるかもしれません。
また、新しく塗料について勉強される方もいらっしゃるかも知れません。
(いたらいいな)
今回は改めて「そもそも防水って何ですか?」について解説していきます。
また、ウレタン防水の種類についてもご紹介いたします!

防水ってそもそも何?なぜ必要なの?

私たちが住む建物は、外部の雨風や気温の変化から守り、
快適な生活空間を確保・維持するために様々な対策が施されています。
その中で水(雨水)の存在というのは厄介なもので、
対策が無いとあらゆるところから建物の内部へ水が浸入し、
部屋の壁や天井のシミやカビの原因となります。
長期間に渡って不具合を放置すると、湿気やカビが知らないうちに拡大し、
住む人の健康にも悪影響を与えます。

さて、まずは下記の用語を整理しておきましょう!

●防水:建物内部への雨水の侵入を防ぐこと
●防水層:建築物の屋上やベランダ・バルコニーに施工する水を通さない被膜
●防水材:防水層を作るための材料

これらは、雨による不具合を防ぎ、建物の健康を保つために必要なものなのです。

防水材ってどんなものがあるの

防水材については様々な種類がありますが、
ここではメンブレン防水(メンブレン:膜)について簡単に説明します。

メンブレン防水とは「水を通さない膜で作られた防水層」です。
(膜を英語に訳すとmembrane:メンブレン)
さらに分類すると、

・アスファルト防水
・改質アスファルト防水
・シート防水
・塗膜防水

に分かれます。


ウレタン防水(ウレタンゴム系塗膜防水材)って何?

上記図をご覧ください。
弊社で取り扱っている、
「フローン#12」「エコフローン#12」「フローン#11」「フローン01X」のような防水材は、塗膜防水の「ウレタンゴム系防水材」に当てはまり、
用途に応じて幅広くラインナップしております。
この防水材の良いところは、現場での取り回しが良く、建物の広さや役物の形に合わせて、
継ぎ目がない均一な防水層をつくることができることです。


(主にコテで塗り広げますが、ローラーで塗れるものもございます!)

また、コンクリート躯体に亀裂が入ったとしても、
その上にウレタン防水を施工していれば下地の動きに追従し、
建物への水の侵入をシャットアウトできます。


防水材の伸び率を実験した写真です。
右の写真を見ると、非常に伸縮性があることがわかります。

このように、ウレタン防水は、
コスト・性能・使いやすさのバランスが取れた防水材といえます。

ウレタン防水のキホン:絶縁工法と密着工法

ウレタン防水材を使った施工方法として、
主に絶縁工法(X-1)と密着工法(X-2)の2種類があります。
それぞれのメリットとデメリットを下に簡単にまとめました。

①絶縁工法(通気緩衝工法)(X-1)

【絶縁工法とは?】
防水材と下地の間に通気層を作る工法
X-1工法ともいわれます。

【メリット】
・通気緩衝シートを導入することによって、別の防水層の上から施工可能
・脱気筒と組み合わせることで下地の湿気を逃してフクレのリスクを最小限に抑える
・集合住宅、マンション、商業施設等の大面積の建物改修に最適

【デメリット】
・密着工法と比較して工程数と価格が高くなる
・下地の凹凸が大きい場合は、下地処理の工程が必要

通気緩衝工法の主役、自着シートについて


ここで、通気緩衝工法で一番の主役である自着シートについて説明します。
自着シートは、
裏面に粘着層と通気層が分かれている改質アスファルトシートで形成されています。
下地コンクリートの動きやひび割れにも追従し、
ウレタン防水材を上に施工することで一体化した防水層として機能します。


上記図をご覧ください。
このように、自着シートと脱気筒、ウレタン防水材を組み合わせることで
「下地の動きに追従するウレタン防水材のメリットを最大限引き出し、
下地の水蒸気を自着シート+脱気筒で外に逃がしデメリットを最小限に抑える」
一石二鳥の防水層が出来上がります。

②密着工法(X-2)

【密着工法とは?】
下地に直接防水材を塗布する工法
X-2工法ともいわれます。

<メリット>
・工程数と使用する材料が少ないため、費用が低コストで済む
・コテ・ローラーで施工可能
・戸建て住宅の陸屋根、バルコニー等の小面積の改修に最適
・補強布(ガラスクロス)により、破れにくく強いウレタン塗膜になる

<デメリット>
・下地からの通気がある場合、施工後にフクレが発生する恐れがある
・塗膜の厚さにムラがある場合、塗膜の薄い箇所が破れて水が入ることも
・均一な厚みにする為に、塗装作業の熟練が必要

このように、密着工法はコスト・工期・施工の難易度が低いこと、
絶縁工法は通気緩衝シートを組み合わせた高耐久な仕様であることがメリットとなります。
また、絶縁工法はその多機能・高性能であると引きかえにコストが割高となります。
どちらの仕様を採用すればよいか迷った場合は、ぜひご相談ください!
現場に合わせた最適な仕様をご提案いたします!

国交省仕様(X-1・X-2)に対応できる!

国土交通省が定める「公共建築工事標準仕様書」は、
役所工事における工法について標準的な仕様をまとめたもので、
弊社製品でX-1(絶縁工法)とX-2(密着工法)のそれぞれに対応することが可能です。

【絶縁工法(X-1)】

種別 X-1(絶縁工法)
工程 材料・工法 使用量(㎏/㎡)
1 通気緩衝シート張り 0.3
2 ウレタンゴム系塗膜防水材塗り 合計3.0
3 ウレタンゴム系塗膜防水材塗り
4 仕上げ塗料塗り 仕様に準拠


【密着工法(X-2)】

種別 X-2(密着工法)
工程 材料・工法 使用量(㎏/㎡)
1 プライマー塗り 0.2
2 ウレタンゴム系塗膜防水材塗り
補強布張り
0.3
3 ウレタンゴム系塗膜防水材塗り 合計2.7
4 ウレタンゴム系塗膜防水材塗り
5 仕上げ塗料塗り 仕様に準拠

※ウレタンゴム系塗膜防水材塗りの使用量は、比重1.0kg/㎥として算出
※公共建築工事標準仕様書(建築工事編) 令和4年版を参考に作成

この仕様に適合しているフローン#12の仕様は、下記のようになります。


このように弊社製品の組み合わせで、
X-1、X-2のどちらにも適合した仕様の提案が可能となっております。

X-1、X-2につきましては、下記記事で詳しく説明しております。
ぜひ、ご覧くださいませ!
「X-1、X-2ってよく聞くけど、本当のところ何?」~ウレタン防水工事の工法について~

自着シートの詳細な施工方法につきましては、
カタログに施工マニュアルを写真付きで掲載しております。
どのように作業をするのかイメージがすぐにつかめると思います。
カタログはコチラ!

(クリックすると見られます!)

オススメ製品:環境対応型仕様(フローン01X)


ここで、ウレタン防水材にフローン01Xを採用することで、
環境対応型の仕様が可能となります。
1液のウレタン防水材で撹拌不要、缶を開けたらそのまま使用可能です。
また作業性も抜群で、ローラー1本で施工することができるため、
作業者の負担を軽減します。
そして、トルエン・キシレン不使用(TXフリー)・MOCA(発がん性物質)フリーで、
環境と作業者の負担を考えた防水材となっております。

プライマーからトップコートまで全て環境対応型の仕様の提案が可能となり、
溶剤が使用できない現場や、集合住宅のベランダの改修に対応可能です。

実際の施工事例

最後に、実際の施工事例をご紹介いたします!

事例①



こちらは、2024年に通気緩衝工法で改修を行った現場です。
沿岸部では海の潮風や湿気など、平野部と比べて過酷な環境に晒されます。
このような現場では、小手先の改修ではすぐに劣化してしまうため、
耐久性と防水性能が高い通気緩衝工法を推奨します。

事例②



こちらも2024年の現場で、工場の屋上防水を改修したものになります。
都市部の工場で大面積であるため、通気緩衝工法で施工しました。
しっかりとした防水性能と耐久性を持つこの仕様で改修し、
屋上の漏水を防ぐことで建物の長寿命化が可能となります。

おわりに

通気緩衝工法は、自着シートとウレタン防水を組み合わせることで、
ウレタン防水の強みをより引きだせる工法です。
下地の状態が悪くて密着工法だとフクレの心配がある場合や、
大面積の施工や建物防水性能を長期間維持したいという場合は、
必ずお役に立てると思います。

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フローン#12

フローン#11

フローン01X

自着シート


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