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塗料の基礎知識
2024/04/24

みんな大好き桜吹雪も塗装工事には大敵?!春に起こりやすい現象と季節品について

管理者用

はじめに

弊社製品の一部は季節に応じて夏型、冬型で分けられているのはご存知でしょうか。
弊社の代表的な防水材を例に夏型、冬型についてご説明したいと思います。

防水材の夏型・冬型について

まず、季節切替のある代表的な防水材は以下の通りです。

【フローン#12・フローン#11】
<夏型>
推奨温度帯 15℃~35℃
切替時期 3月末~4月上旬 
<冬型>
推奨温度帯 5℃~15℃
切替時期 10月末~11月上旬


色名の横に、季節品名が書いてあります。

逆に、季節切替のない防水材もあります。

【フローン01X】

季節名が書いてありません。

夏型冬型の概念がない一般通年型 
※冬季は硬化促進剤添加を推奨

なぜ季節切替があるのか?

それは、どの温度帯においても硬化時間に差が出ないように仕上げるためです。
ご存じの通り、気温が下がれば下がるほど、防水材の硬化には時間がかかります。
そのため、気温が下がる冬場に使用していただく場合でも、
冬型は効果しやすいように設計されており、
使用感に変化が出ないようにしているのです。
逆に、夏型は敢えて硬化を遅らせるように設計されています。
また、冬に施工をすると、塗料粘度が高くなりがちですが、
冬型は夏型に比べて粘度を落としているため、寒い中でも塗りやすくなっています。

季節に合わないものを使用した場合

では、季節品を誤ったタイミングで使ってしまうとどうなるのでしょうか?

真夏に冬型を使用した場合

冬型は、気温が低くても早く硬化が進むよう設計されています。
そのため、規定時間よりも早く硬化してしまいます。
最悪の場合、作業途中で硬化してしまう状況が発生してしまいます。

真冬に夏型を使用した場合

夏型は、気温が高い状態でも硬化の進みが早すぎないよう設計されています。
規定時間では硬化しません。
最悪の場合、いつまで経っても硬化しない状況が発生してしまいます。

以上のことから、夏型・冬型の概念がある製品は、
それぞれの推奨温度帯に使うことが非常に重要なのです。

春に発生しやすい不具合について

日本人なら、というよりも、今や世界中で人気の日本の「桜」
春になると東日本塗料本社の裏手にある桜並木も
とてもきれいです。

通勤時に癒されます!

また、散った花びらが舞う様子も、
花びらが落ちて道路や川の水面がピンクに染まる様子も
本当に癒されますよね。

たまたま通りがかった桜。
外国人の方が記念写真を撮っていました!

ですが!
この花びらや桜吹雪、結構塗装には大敵!?だったりします。
今回は、春に起こりやすい不具合事例を2点、ご紹介しましょう!

マッドカーリング現象

春先の花粉や黄砂が多い時期は注意が必要です!
アスファルトルーフィングやシングル面の改修施工が終了し、
しばらくしてから施工場所を確認すると、
稀に、塗膜に花が咲いたように表面がめくれてしまう現象が発生します。

防水層の上にたまった土,砂,花粉,藻類などが雨水により泥状になり、
乾燥した時に防水層の表層に接着している泥が、収縮し亀裂を生じてめくれ上がり
防水層を損傷させること
「JWMA防水用語辞典」より引用


水たまりに泥や花粉が堆積してしまった様子


乾燥したときに、塗膜を引っ張り、上塗りが破損してしまった様子

この現象は、防水層に水たまりができる部分に発生します。
解決策は、水たまりができるのを防ぐことです。
そのため、水たまりができやすい部分においては、
改修時に適切な下地調整を施し、ルーフィングや塗膜の増し塗りを行い、
上塗り塗料を施工することが必要です。

塗膜に花びらが付着してしまう問題

次は、きれいなはずの花吹雪が引き起こす現象です。
春は気温が上がり、建物の修繕には適した季節ですが、
施工する際に施工現場の周りに桜がないか注意が必要です。
桜の花が散るころに、塗料を施工すると、
風の影響で施工直後の塗膜に飛んできた花びらが付着することがあります。


花びらが付着した後に1層ウレタン塗膜を塗布。
花びらの後は残ってしまいます。


最終的に、塗膜のフクレ・破断につながるので注意が必要です!

花びらが一度塗膜に付着すると、花びらを取りはずすのは非常に困難で、
かけなくてもよい労力が必要になります。
厚膜塗料で積層しても完全に消えず、跡が残ってしまいます。
改修時期には周りの環境に充分に配慮して施工することをおすすめします!

おわりに

このように季節に応じて施工材料や施工環境も変わります。
その点を踏まえ工事を行っていただくことで、
リスクやトラブルを軽減させることに繋がります!

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