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塗料の基礎知識
2024/07/16

◎防水材!夏こそ確実に仕上げて不具合を防ぐ!◎~夏特有の8つの事例と防止法

管理者用

はじめに

最近の夏は本当に酷暑!
塗装・塗料業界にとって夏場は稼ぎ時でもありますが、
同時に防水材の不具合が発生しやすい季節でもあります。

塗装現場に不具合が起きてしまった!!
ということは、皆様ご経験があるかと思います。
しかし、不具合は事前準備である程度防ぐことができます。
逆を言えば、事前準備をしっかりとしておけば、不具合発生を抑制できるということです!

ここでは、

下地調整関連
防水材施工関連
トップコート施工関連

以上の3つの観点から、不具合を事前に防いでいきましょう!

その1:不具合防止!下地調整関連

下地の乾燥を確認すること!(フクレ防止)

夏場の暑さなら下地の乾燥は大丈夫じゃないの?と思われるかも知れません。
しかし雨の水分が翌日の晴れで全て蒸発するとは限らないのです。
内部に残っている水分が時間差で蒸発して、
中塗りのピンホールやフクレの原因となることも・・・

不具合事例~フクレ~

施工翌日に塗膜全体で細かいフクレが発生しています。
これは、下地を完全に乾燥させずに塗装をしてしまったため、
下地に含まれる水分が蒸発することで起きてしまった不具合です。
(ブツブツ恐怖症の方、ご注意ください)

対策

下地の水分を確認するために2つの方法があります。

①水分計で下地水分を測定する
②マスカーで養生して、マスカーに水滴が付着していないか確認

また、プライマーで通気を止めることも重要です。
併せてご検討下さい。

雨が降る日・時間帯を避けること!(フクレ・仕上がり不良防止)

夏場の高温多湿やゲリラ豪雨は、塗装に大きな影響を及ぼします!
真夏はゲリラ豪雨が多いですよね。
塗装中に急な雨に打たれた場合、仕上りが悪くなりフクレや硬化不良の原因となります。
施工前に必ず天候を確認し、場合によっては施工日の変更や中断をご検討ください。
「明日の夕方から雨みたいだけど、今日の午前中から施工しても大丈夫かな?」
というような天候への対策についてご相談があれば、ぜひお問い合わせください。

不具合事例~仕上がり不良~

下記をご覧ください。
雨によって表面に白い跡が残り、塗膜が水を抱き込んでしまい発泡しています。
このように、雨は塗膜に非常に悪影響を及ぼします。

対策

天気予報で雨が予想される場合は施工日の変更や中断をご検討下さい。
長期間の雨により施工間隔が空いてしまった場合、プライマーの施工が必要となります。

防水材の硬化時間を確認!(可使時間の短縮・仕上がり不良)

塗料の温度が上がるにつれて、防水材の硬化時間も早くなります。
撹拌後の缶をしばらく置いていたら粘度が上がり過ぎてコテで伸ばせない・・・なんてことも。

不具合事例~コテムラ~

コテで無理に仕上げた結果、レベリングせずにコテむらが残ってしまいました。
塗膜全体がちょっと凹凸気味なのが分かると思います。

対策

防水材は温度上昇で硬化が早まります。
施工箇所の墨出しを事前に行い、撹拌後はすぐに施工を開始して下さい。
そして、気温が高いときはポットライフを短めに見積もってください。

「今日は気温が30℃を超えそうだけど、どれくらいで施工したらいいの?」
温度管理や硬化時間に関する疑問がありましたら、弊社スタッフがサポートします!

その2:不具合防止!防水材施工関連

塗料の撹拌と保管は涼しいところで!(塗料のゲル化・皮張りの防止)

塗料を炎天下に置いていると、塗料温度が上昇していきます。
これにより可使時間が短くなり、ゲル化や皮張りを引き起こしやすくなります

不具合事例~塗料のゲル化・皮張り~

こちらの写真をご確認ください。
気温が高いところに塗料を保管した結果、皮張りが発生しております。

「皮張りが発生しても、撹拌すればいいでしょ?」
とお客様からお問い合わせをいただくこともあるのですが、
基本的に皮が張ってしまった塗料を撹拌すると、
ダマになったり、ブツが混入したりしてしまいます。
せっかくの塗料が皮張りで台無しに・・・なんてことにならないように。
速乾系の塗料だと、なおさら注意が必要です。

対策

先述いたしましたが、塗料温度が上昇すると可使時間が短くなり、
ゲル化や皮張りのリスクが発生します。
保管は日光や雨の影響を受けない屋内、もしくは日陰におくことを心掛けてましょう。
また、開封した塗料は基本的に使い切り、
保管する時も塗料が乾かないように密封してください。
最適な保管方法や保管場所についてのアドバイスが必要でしたら、お気軽にご相談下さい

防水材にシンナー希釈は不要(フクレ・硬化不良の防止)

「防水材にシンナーを混ぜて増粘を抑えられないか」
というお問い合わせをお客様からいただくことがありますが、
基本的に弊社の防水材をシンナー希釈することは、あまりお勧めはしておりません
基本的に防水材にシンナーは不要です。
シンナーを混ぜて施工した場合、塗膜にシンナーが残ったまま硬化してしまい、
施工後のフクレの原因となります。

不具合事例~硬化不良~

こちらの写真をご覧ください。
これは、硬化不良が起こってしまった事例です。

こうなってしまったら、防水材施工においては、すべて剥がして再施工となります。

対策

防水材にシンナーを混ぜると、フクレや硬化不良の原因となります。
夏場のシンナー希釈は避けましょう
防水材の適切な使用方法について、ご不明な点があればお問い合わせください。

その3:不具合防止!トップコート施工関連

雨による塗料の流出を防止!(周辺の環境汚染の防止)

施工直後にゲリラ豪雨に見舞われると、雨で塗料が流されてしまう恐れがあります。
塗料が流されてしまうとドレンに流れて排水溝まで汚染されてしまうため、
可能な限り避けたいところです。

不具合事例~雨による塗料の流出~

塗膜が乾ききらない時に雨に打たれ、流されてしまった状態です。

この塗料が溶け出して排水溝まで流れてしまうと、非常に危険です。
下記が、流れてしまった塗料です。

こうならないためにも、しっかりと対策をしたいところです。

対策

先述いたしましたが、施工日の天気予報を必ず確認しましょう。
降雨の場合は別日の施工を検討してください。
環境への影響を最小限にするための対策について、詳しく知りたい方は
弊社営業担当まで、ぜひお問い合わせください!

過剰な希釈による不具合(仕上がり不良の防止)

防水材と違い、弊社のトップコートは希釈をして使用するものも多いです。
しかし、カタログ記載の希釈量を超えると、色別れや艶引けが発生します。
塗膜の耐久性も低下しますので、推奨希釈量を守りましょう。
製品ごとの希釈量や施工方法についてのご質問は、弊社までお気軽にどうぞ!
またHPに各製品のカタログを記載しておりますので、是非ご活用ください。

不具合事例~仕上がり不良~

こちらの写真をご覧ください。
過剰な希釈により色別れが発生し、左半分に横方向のスジが残ってしまっています。

対策

該当製品のカタログを確認し、
推奨している希釈量の範囲内で施工してください。

塗装間隔が短いことによるフクレ(サンブリスターの防止)

夏場は塗料の乾きが早いことから、半分以下の養生時間で次工程に移る場合、
2回塗りの溶剤系トップコートはフクレ(サンブリスター)のリスクがあります。
これは1回目の塗膜に残った溶剤が、2回目の塗膜を押し上げてフクレとなるからです。

不具合事例~サンブリスター~

こちらをご覧ください。
フクレの箇所から塗膜が剥がれて、表面が荒れてしまっています。
(ブツブツ恐怖症の方、ご注意ください)

対策

目視や指触の乾燥ではなく、
弊社が推奨するカタログ通りの養生時間をしっかりと確保しましょう。
養生時間の適切な設定や確認方法について、具体的なアドバイスを提供しています。
お気軽に問い合わせください。

おわりに

いかがでしたでしょうか?
防水工事における不具合事例の一部をご紹介いたしました。
今回の内容が少しでもお役に立てば幸いです。

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