TOP > ピックアップ商品紹介! > 塗料の基礎知識 > 「防水材が乾かない!なんで?どうしたらよかったの(泣)?」~防水材不具合シリーズ第2弾~
塗料の基礎知識
2021/04/14

「防水材が乾かない!なんで?どうしたらよかったの(泣)?」~防水材不具合シリーズ第2弾~

管理者用
ピックアップ商品紹介!
「防水材が乾かない!なぜ?」
というお問合せをよくいただきます。

防水材の硬化不良事例1
このような状況を「硬化不良」と言います。

もうすぐ梅雨(気が早い)。
梅雨前にしっかりと防水材を塗布し、雨漏りを防ぎたい今日この頃。
(デジャヴ)

そこで、本日は、防水材の不具合シリーズ第2弾!
防水材の硬化不良」の原因や対策、対処法について
たっぷりと説明いたします。

まずは、「防水材の硬化不良」の原因から見ていきましょう!


 原因1: A液とB液の混合比が適正ではなかった  

防水材の硬化不良事例2


 現場の失敗例 

「だいたいの量を混ぜればいいんでしょ?大丈夫、いつもこうやってる!」
「秤がなかったし、計るの面倒だから目分量でやっちゃった」
「1:1って書いてあったから、同じ量を混ぜたよ」

 硬化不良の原因 
2液塗料の場合、A液とB液の反応で硬化します。
しかし、配合比が適正でないと、正しく反応せず
硬化不良を起こしてしまいます。

 対策 
ず計量器を使って重さを計って混合しましょう。
目分量ですと、どちらかが多くなったり少なくなったりして、
ただしく反応しないことがあります。
また、必ず「重さ」を計ってください
体積比ではないので、注意が必要です。



 原因2: 正しく撹拌ができていなかった 

防水材の硬化不良事例3

 現場の失敗例 

「電動撹拌機?なんて持ってないから、棒で混ぜたよ」
「軽く混ぜたら簡単に混ざった!硬化剤の色も消えたし、大丈夫だと思って・・・」

 硬化不良の原因 
先程も原因1で述べた通り、
2液の塗料は、A液とB液の反応で硬化します。
そのため、しっかりと混ざっていないと反応が起きず、硬化しません
また、棒で混ぜただけですと、十分に撹拌することができず
硬化不良を起こしてしまいます。
また、電動攪拌機を使ったとしても、撹拌時間が短い場合、
ムラができてしまい、反応が起きず、これも硬化不良の原因となります。
上の写真をご覧ください。
撹拌不足でA液とB液が混ざっていないと、
上の写真のように、分離した状態になってしまいます。

 対策 
必ず電動撹拌機を使用
そして充分な時間撹拌してください。
また、攪拌後でも、缶の側面に残ってしまった材料でも、
硬化不良になる恐れがあるため、使用しないでください



 原因3: 過度な希釈をした・シンナーを間違えた 

防水材の硬化不良事例4(わかりづらくてすみません)
 現場の失敗例 
「どろどろしていてとても塗りづらい!だから希釈したよ」
「どのくらい・・・・?うーん、塗りやすくなるくらい入れたよ」
「何のシンナーだって?わからないけどアルコールが入ってるシンナーだと思うよ」

 硬化不良の原因 
弊社の防水材は基本的に希釈することをお勧めしておりません
希釈せずにお使いいただいております。
しかしながら、お客様からは、
「粘度が高いから塗りづらい。もっとさらさらにしたい」
というお声をよくいただきます。
その際は、シンナーでの希釈とお答えしておりますが、
その希釈量が多かったり、おすすめしているシンナーではないものを使用すると、
まったく乾かず、硬化不良が起こってしまうのです。

 対策 
A液・B液総重量の1~2%以下で希釈してください。
これ以上多い場合、乾燥に非常に時間がかかりますが、
時間を置けば、乾燥はします
しかし、長時間水分にも当てずに、
また、ちり・ホコリを防ぎながら乾燥させるのは難しいと思いますので、
基本的には入れ過ぎないほうがよいでしょう。
また、アルコールを含むシンナーでの希釈は避けてください
必ずウレタンシンナー(弊社製品で言うと「トップ14シンナー」)を
ご使用ください。
「塗料用シンナー」もお使いいただけませんので、ご注意ください!



 原因4: 乾く前に水分にあたってしまった 

 現場の失敗例 
「急いでいたから塗装後の天気を確認しないで施工したら、雨が降ってきた!」
「夜中に結露したみたい・・・その後、全然乾かない!」

 硬化不良の原因 
施工直後に雨や結露などの水分の影響を受けてしまうと
硬化不良が起きてしまいます。
また、施工中の汗が落ちてしまうだけでも
硬化不良の原因となりますので、ご注意ください。

 対策 
乾燥時間中の水分は避けましょう
雨が降る前の施工、寒暖差が激しく結露が出る可能性がある時期、
また、汗が落ちないような工夫などを心がけましょう。



 原因5: 気温が低く、乾燥に時間がかかっている 

 現場の失敗例 
「5℃以上はあったけど寒い日に施工したら、全然乾かない!」

 硬化不良の原因 
低温時は乾燥に非常に時間がかかります。
そのため、低温が原因のみであれば、
乾燥時間を延ばせば硬化します。

 対策 
先述のとおり、乾燥時間を延ばせば硬化はします。
しかしながら、先述の通り、
長時間水分にも当てずに、
また、ちり・ホコリを防ぎながら乾燥させるのは難しいと思いますので、
低温時の施工は避けた方がよいでしょう。
また、「そんなに待てない!」という場合には、
防水材専用の硬化促進剤を使用することをおすすめいたします。
弊社製品では、「フローン防水材硬化促進剤」。
A液とB液を混合する際に、使用するものです。
こちらは、冬型・低温時のみ使用可能となっております。
夏型や暖かい時期に使用してしまうと、
可使時間が非常に短くなってしまいますので、
使用はお控えください。


さて、防水材の硬化不良の原因はお分かりいただけたでしょうか?

「いや、待て、既に硬化不良が起こってしまってるんだ!」
「待てど暮せど乾かない・・・目の前のこれ、どうしよう?」

では、硬化不良が起きてしまったらどうしたらよいのでしょうか?
下記に、処理方法をご紹介いたします!


 硬化不良発生時の処理方法 

 原因1~2の場合 
  1. 硬化不良個所を完全に除去する
  2. フローンプライマーUS+フローンパウダーを1:1で配合したものを数回塗布
  3. フローン防水材、フローンシーリングでタッチアップ

 原因3の場合(アルコールを含む溶剤で希釈した場合) 
  1. 硬化不良個所を完全に除去する
  2. フローンプライマーUS+フローンパウダーを1:1で配合したものを数回塗布
  3. フローン防水材、フローンシーリングでタッチアップ

 原因4の場合 
  1. 硬化不良箇所を完全に除去する
  2. フローンプライマーUSを数回塗布
  3. フローン防水材でタッチアップ


下記に、今回の内容を一覧表にして、まとめておきますね。


せっかく時間とコストをかけて防水工事をするのですから、
不具合なく、キレイに仕上げたいですよね。
ぜひ、ご参考いただけますと幸いです。


それでは、不具合のない美しい防水材ライフ(?)をお過ごしください!