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塗料の基礎知識
2021/03/17

「防水材がフクレてしまった!なんで?どうしたらよかったの(泣)?」~防水材不具合シリーズ第1弾~

管理者用
ピックアップ商品紹介!
「防水材がフクレてしまった!何が悪かったんだろう?」

防水材のフクレ事例1

というお問合せをよくいただきます。
もうすぐ梅雨(気が早い)。
梅雨前にしっかりと防水材を塗布し、雨漏りを防ぎたい今日この頃。

そこで、本日は、「防水材のフクレ」の
原因や対策、対処法について、たっぷりと説明いたします。


まずは、「防水材のフクレ」の原因から見ていきましょう!


 原因1: 下地処理後、素地の乾燥時間を十分に取らなかった  

防水材のフクレ事例2

 現場の失敗例 

「時間がなかったから、下地処理をした後しっかり乾燥させずに
塗装をしてしまいました。」
「X-1?通気緩衝?そんな時間も予算もなかったから、何もしてないよ・・・」

 フクレの原因 
素地に含まれている水分、下地処理をした際に乾燥しきらなかった水分が
プライマーの下で蒸発

すると、その水蒸気が上の塗膜を押し上げ、塗膜のフクレが生じてしまいます。

 対策 
充分に素地を乾燥させてから塗装を行いましょう。
また、X-1に則った通気緩衝工法をしっかりと行いましょう。
X-1工法については、
「X-1、X-2ってよく聞くけど、本当のところ何?」~ウレタン防水工事の工法について~
で、詳しく説明しております。
詳細は、上記リンクをクリック!



 原因2: プライマーを濡れ色になるまで塗布しなかった 

防水材がフクれ、破断してしまった例

 現場の失敗例 

「ちゃんと素地を乾かして、プライマーを規定量、しっかりと塗布したよ。
でも、そういえば下地がプライマーを吸い込んでいたかもしれない・・・・」
「下地がプライマーをとても吸い込んで何度塗っても濡れ色にならなかった

 フクレの原因 
濡れ色にならない=下地がプライマーを吸い込んでいる
ということになります。
つまり、下地がプライマーを吸い込んだままだと表面に残らず
プライマーの密着効果が得られなくなるのです。
密着効果が得られない、ということは、「のり」の効果がない、ということなので、
下地と防水材が密着せず、フクレが発生してしまうのです

 対策 
プライマーは素地が濡れ色になるまで複数回塗布しましょう。
この場合、規定回数以上の塗布になっても構いません
下地がプライマーを吸い込んでいる状態だと、密着効果が得られません。



 原因3: 上塗可能時間を超えてしまったが、そのまま防水材・上塗を塗布した 

防水材のフクレ事例4
 現場の失敗例 
「プライマーは塗ったけど、防水材塗布はその後、別の仕事が立て込んだから結構日が空いちゃったよ」
雨に当たっちゃったけど、乾いたからそのまま防水材を塗ったよ」

 フクレの原因 
材料同士の密着力が弱くなってしまい、そこで剥がれてしまった

 対策 
材料ごとの上塗可能時間をしっかりと守りましょう
上塗可能時間は、「密着力が保たれる時間」と考えてください。
そのため、上塗可能時間を過ぎてしまった場合は、
必ず再度プライマーを塗布しましょう。
また、塗布したプライマーや防水材が雨などに塗れてしまった場合は、
十分に乾かして、再度プライマーを塗りましょう
雨にあたってしまうと、乾いて見えても密着力は弱くなってしまいます
必ず再度プライマーを塗りましょう。



 原因4: 厚みをつければ防水効果UP!だと思い、規定量を超えて厚みを付けた 

 現場の失敗例 
「防水効果を高めるなら厚付け!と思って、規定量より厚く塗ってみた

 フクレの原因 
厚塗りをすると、どうしても乾燥が遅くなります
また、表面が先に乾いてしまい、中がゲル状のまま乾かなくなってしまいます
2液防水材は、混合することにより反応ガスが発生、
それによって乾燥を促すことになるので、
表面が先に乾いてしまうと、中の反応ガスの抜け道がない
という状態になります。
そうなると、その中の反応ガスが乾いた塗膜を押し上げ、
フクレが発生してしまうのです。

 対策 
防水材は、カタログや仕様書に記載されている規定量を
しっかりと守って塗布しましょう。
厚塗りをしたい場合は、一度に厚塗りせず、何回かに分けて塗装しましょう。
また、これは2液防水材の場合に限ります
もし、「2液は怖いな」という方は、
1液の防水材を使用することをお勧めいたします。
(1液でも厚塗りは避けて下さい)



 原因5: 防水材1回目、見た目は乾いていたので、乾燥時間を置かず2回目を塗った 

 現場の失敗例 
「日が暮れそうだったし、1回目の防水材は乾いていたように見えたから、
カタログや仕様書よりちょっと早かったけど、
2回目をそのまま塗っちゃった。」

 フクレの原因 
1回目に塗布した防水材の養生期間は十分に取りましょう
養生期間をしっかりと取らないと、【原因4】と同様、
反応ガスが抜けきらない状態で2回目が塗布されることになり、
その反応ガスによって塗膜を押し上げ、膨れてしまうのです。

 対策 
1回目の防水材塗布後は、カタログや仕様書通りに
養生期間をしっかりと取りましょう
また、これも2液塗料のみ起こり得ることです。
1液であればこの問題は起きません。
(1液でも厚塗りは避けて下さい)


さて、防水材のフクレの原因はお分かりいただけたでしょうか?

「いや、待て、既にフクレが起こってしまってるんだ!」
「このフクレ、どうしよう?」

では、フクレが起きてしまったらどうしたらよいのでしょうか?
下記に、処理方法をご紹介いたします!


 フクレ発生時の処理方法 

 原因1~4の場合 
  1. フクレ箇所をカットする
  2. セメント系プライマー(弊社製品で言うとフローンプライマーUS+フローンパウダーを1:1の割合で混ぜる)を塗布
  3. 2を数回塗布する
  4. フローン防水材を塗布する。

 原因5の場合 
  1. フクレ箇所をカットする
  2. フローンプライマーUSを塗布
  3. フローン防水材、フローンシーリングでタッチアップ

いかがでしたでしょうか?

下記に、今回の内容を一覧表にして、まとめておきますね。



せっかく時間とコストをかけて防水工事をするのですから、
不具合なく、キレイに仕上げたいですよね。
ぜひ、ご参考いただけますと幸いです。


それでは、不具合のない美しい防水材ライフ(?)をお過ごしください!