そもそも「レイタンス」って何?必ず取らなきゃいけないの?~床塗装~
管理者用はじめに
「レイタンス除去」
弊社のカタログの「施工上の注意点」には、必ずと言っていいほど
「新設コンクリート・モルタル面の表面には、
レイタンス(遊離アルカリ)による脆弱装が形成されるため、
密着不良の原因となります。
必ずワイヤー付きポリッシャー等でレイタンス層を完全に除去して下さい」
と記載しております。
新設コンクリート床を塗装する場合、不具合を未然に防ぐため、
コンクリートの養生期間や吸い込みの有無、表面強度など、
いくつかの確認事項があることはご存知かと思います。
そして、今回のテーマ、「レイタンス除去」もそのうちの1つです。
さて、ではこの「レイタンス」ですが、
いったい何なのでしょうか?
なぜ除去しなければいけないのでしょうか?
そして除去するためにはどうしたらよいのでしょうか?
ここで説明していきましょう!
レイタンスとは?
レイタンスについて説明する前に、
まずはコンクリートについておさらいしましょう。
コンクリートは、セメント、水、粗骨材(砕石・砂利)、
細骨材(砂)、混和材料によって構成されます。
① ②
(写真①:粗骨材 写真②:細骨材)
これらの材料を練り混ぜたものを型枠内に流し込むことで、
(これを「打設」と言います)
構造物を形成します。
建築資材の中でも幅広い用途で使用される材料です。
【プチ情報】
セメント+水=セメントペースト
セメントペースト+細骨材(砂)=モルタル
と、なります♪
コンクリートを打設した時、ブリージング水という濁った水が表面に浮いてきます。
その水の中には、コンクリート成分中の微細な粒子が混ざっています。
この水が蒸発すると、その微細な粒子が表面に残って堆積し、
コンクリート表面に脆弱な層を形成します。
この層をレイタンスといいます。
下記の写真をご覧ください。
レイタンス層は上の写真の通り、非常にもろく、粉っぽいため、
指先で擦ると粉が付きます。
また、コイン等硬いものでひっかくと、簡単に削れて行きます。
レイタンスが塗膜に及ぼす影響
上記の写真にあったとおり、レイタンス層は非常にもろく、
削れやすい特徴があります。
このような層を除去せずに塗装をしてしまったらどうなるのでしょうか?
レイタンス層のような脆弱層を残したまま施工すると、
塗膜面に衝撃などの外力が加わった際に、脆弱層が破壊され、
浮きやフクレ、剥離の原因となります。
特に、薄膜塗料では、皮がむけるようにペリペリっと剥がれてしまいます。
これは、剥離してしまった塗膜の裏面の写真です。
この塗膜の裏面に、レイタンスがびっしりとくっついてしまっています。
このように、レイタンスを除去せずに塗装をしてしまうと、
この層が塗膜の密着を阻害し、剥離が起きてしまうのです!
レイタンス除去方法
「レイタンスの発生は少ないから大丈夫」
「時間がかかるから除去しないで塗りたい」
「正直、めんどくさい」
と思われる現場もあるかと思います。
しかしながら、レイタンスの除去を怠ったために、
剥離などが生じて余計に時間がかかってしまった・・・・・
という不具合の事例を良く耳にしますよね。
そのため、そういった不具合を防ぐためにも、
サンドペーパー(#60~80程度)付ポリッシャーやサンダー等で
コンクリート面が露出するまでレイタンスをしっかりと除去してから
塗装をするようにしましょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
レイタンスの除去って、本当に重要だということがわかりました。
皆様の中にはもちろん、
「レイタンス除去なんて常識だよ!」という方もいらっしゃると思いますが、
床塗装の前に、ぜひしっかりとレイタンスを除去していただいて、
きれいな塗膜を手に入れてくださいね。