「入れれば入れるほど効果が高い!?」いやいや、違います!~硬化促進剤の正しい使い方~
管理者用- はじめに
- 硬化促進剤とは?
- 硬化促進剤の使用上の注意点
- 注意点① 使用する塗料に合わせた硬化促進剤を使用すること!
- 注意点② 可使時間に注意すること!
- 注意点③ 適正な量を添加すること!
- 注意点④ 温度5℃以下では効果が得られない事も・・・・
- 注意点⑤ プライマー類には使用できません!
- 硬化促進剤の使い方
- 硬化促進剤の種類と適用製品
- エポキシ硬化促進剤添加時の硬化特性
- ソルエポ90(18㎏/set)に対し、エポキシ硬化促進剤(0.5㎏)を添加した場合
- エポエース(12㎏/set)に対し、エポキシ硬化促進剤(0.36㎏)を添加した場合。
- フローン50(18㎏/set)に対し、エポキシ硬化促進剤(0.5㎏)を添加した場合。
- フローン55(18㎏/set)に対し、エポキシ硬化促進剤(0.5㎏)を添加した場合。
- フローンエポローラー(14㎏/set)に対し、エポキシ硬化促進剤(0.14㎏)を添加した場合。
- アクリルウレタン用硬化促進剤添加時の硬化特性
- フローンフルトップ環境対応型硬化促進剤 添加時の硬化特性
- おわりに
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はじめに
「寒い!でもどうしても工期に間に合わせないといけない!」
「冬期の現場。低温時に施工は適していないとはわかっているけれど・・・」
など、皆さま一度はご経験があるのではないでしょうか?
そんな時に頼りになるのが硬化促進剤です!
しかし、使用方法を間違えると、不具合の原因にも繋がります。
ここでは、そんな硬化促進剤を正しく効果的に使うための
様々なポイントについて、説明していきましょう!
硬化促進剤とは?
塗料の硬化にかかる時間を短縮するのが硬化促進剤。
硬化促進剤を添加すると、
「塗料の反応を早め低温時でも硬化時間を短縮できるので、
作業を円滑に進められる!」
という非常に大きなメリットがあります。
しかし!
硬化促進剤についての間違いあるあるですが、
「寒いときは、硬化が遅い。だったら硬化促進剤を入れればよい」
「硬化促進剤を入れれば入れるほど効果がある」
「そこらへんにある硬化促進剤を使う」
と言うのは、非常に危険なのです!
硬化促進剤の使用上の注意点
まずは、硬化促進剤を正しく効果的に使うために、注意点を見ていきましょう。
注意点① 使用する塗料に合わせた硬化促進剤を使用すること!
硬化促進剤はエポキシ樹脂用やウレタン樹脂用等、樹脂によって種類が異なります。
お使いの塗料に合わせた硬化促進剤を選びましょう。
注意点② 可使時間に注意すること!
硬化促進剤を添加すると硬化が早くなります。
ということは!
可使時間も短くなるのです!←ここが注意点!
低温時以外に添加した場合は可使時間が極端に短くなりますので添加は控えましょう。
注意点③ 適正な量を添加すること!
「速く硬化させたいから、硬化促進剤をたくさん入れよう!」
とお考えの方も多いかもしれません。
しかし、それはとても危険。不具合の原因にも繋がります!
適正な量以上を添加すると可使時間が極端に短くなり、
塗膜物性の低下や仕上がり不良発生の可能性があります。
必ずはかりを使って適正な量を計量してから添加してください。
注意点④ 温度5℃以下では効果が得られない事も・・・・
そもそも塗料、特にエポキシ樹脂系塗料においては、
気温5℃以下で反応硬化が著しく遅くなってしまい、
場合によっては反応が停止してしまうこともあります。
そうなると、硬化促進剤を添加しても、効果が得られないことがあります。
極端に気温が低い場合は、施工自体を避けてください。
注意点⑤ プライマー類には使用できません!
硬化促進剤をプライマーへ添加すると密着性の低下を引き起こしてしまいます。
絶対に添加しないで下さい。
硬化促進剤の使い方
では今までの注意事項を踏まえ、硬化促進剤の使い方をご説明します。
手順① 硬化促進剤はあらかじめ計量しておきましょう。
硬化促進剤を使用する際は、
通常よりも混合する成分が増える上、塗料の可使時間は短くなります。
特に、厚膜塗料では、塗り継ぎ時間にも影響が及びますので、
まずは、塗装に必要なセット数を、あらかじめはかりで計量しておきましょう。
事前に硬化促進剤を測っている様子
手順② 計量した硬化促進剤を手早く撹拌しましょう。
各種塗料を計量、混合、電動撹拌機で撹拌後、
その塗料に合った硬化促進剤を規定量添加し、
更に30秒撹拌してください。
硬化促進剤を入れて撹拌している様子
手順③ 可使時間に注意して塗装しましょう。
可使時間、塗り継ぎに注意して塗装しましょう。
特に厚膜塗料は撹拌後缶内に放置すると、発熱し可使時間が更に短くなります。
撹拌後速やかに被塗面に流し、巻き込み泡を消すように塗り広げていきましょう。
厚膜塗料を放置した結果、発熱し発泡してしまった様子
硬化促進剤の種類と適用製品
冒頭でお話しした硬化促進剤間違いあるある
「そこらへんにある硬化促進剤を使う」ですが、
各種塗料には、適した硬化促進剤と使用量があります。
ここでは、弊社床材において、適した硬化促進剤とその添加量を
ご紹介いたします。
エポキシ硬化促進剤添加時の硬化特性
まずはエポキシ硬化促進剤を使用する製品とその添加量についてです。
【エポキシ硬化促進剤使用時の注意事項】
エポキシ樹脂塗料を10℃以下で施工した場合、
十分な養生を行った後も、水との接触により表面が白くなる場合があります。
事前に床面に水が接触することが分かっている場合は、
ウレタン系のトップコートを塗布することを推奨いたします。
ソルエポ90(18㎏/set)に対し、エポキシ硬化促進剤(0.5㎏)を添加した場合
温度 | 5℃ | 10℃ | 23℃ | 30℃ |
可使時間(時間) | 6 | 4 | 3 | 使用不可 |
上塗り可能時間(時間) | 6 | 4 | 3 | - |
歩行可能時間(時間) | 20 | 16 | 9 | - |
重作業可能時間(時間) | 52 | 36 | 18 | - |
エポエース(12㎏/set)に対し、エポキシ硬化促進剤(0.36㎏)を添加した場合。
温度 | 5℃ | 10℃ | 23℃ | 30℃ |
可使時間(時間) | 5 | 4 | 3 | 使用不可 |
上塗り可能時間(時間) | 6 | 4 | 3 | - |
歩行可能時間(時間) | 20 | 16 | 9 | - |
重作業可能時間(時間) | 52 | 36 | 18 | - |
フローン50(18㎏/set)に対し、エポキシ硬化促進剤(0.5㎏)を添加した場合。
硬化剤の種類 | 冬型 | 春秋型 | - | |
温度 | 5℃ | 10℃ | 23℃ | 30℃ |
可使時間(分) | 30 | 27 | 18 | 使用不可 |
上塗り可能時間(時間) | 24 | 11 | 11 | - |
歩行可能時間(時間) | 44 | 16 | 11 | - |
重作業可能時間(時間) | 72 | 44 | 22 | - |
フローン55(18㎏/set)に対し、エポキシ硬化促進剤(0.5㎏)を添加した場合。
硬化剤の種類 | 冬型 | 春秋型 | - | |
温度 | 5℃ | 10℃ | 23℃ | 30℃ |
可使時間(分) | 30 | 27 | 18 | 使用不可 |
上塗り可能時間(時間) | 24 | 11 | 11 | - |
歩行可能時間(時間) | 44 | 16 | 11 | - |
重作業可能時間(時間) | 72 | 44 | 22 | - |
フローンエポローラー(14㎏/set)に対し、エポキシ硬化促進剤(0.14㎏)を添加した場合。
硬化剤の種類 | 冬型 | 夏型 | - | |
温度 | 5℃ | 10℃ | 23℃ | 30℃ |
可使時間(分) | 30 | 27 | 18 | 使用不可 |
上塗り可能時間(時間) | 24 | 11 | 11 | - |
歩行可能時間(時間) | 44 | 16 | 11 | - |
重作業可能時間(時間) | 72 | 44 | 22 | - |
アクリルウレタン用硬化促進剤添加時の硬化特性
AUコート(15㎏/set)に対し、アクリルウレタン用硬化促進剤(0.5㎏)を添加した場合。
硬化剤の種類 | 冬型 | - | ||
温度 | 5℃ | 10℃ | 23℃ | 30℃ |
可使時間(時間) | 1.5 | 1 | 1 | 使用不可 |
上塗り可能時間(時間) | 12 | 4 | 3 | - |
歩行可能時間(時間) | 30 | 15 | 9 | - |
重作業可能時間(時間) | 60 | 36 | 18 | - |
フローンフルトップ環境対応型硬化促進剤 添加時の硬化特性
フローンフルトップ(15㎏/set)に対し、フローンフルトップ環境対応型硬化促進剤(0.15㎏)を添加した場合
温度 | 0℃ | 5℃ | 10℃ | 23℃ | 30℃ |
可使時間(分) | 34 | 30 | 23 | 20 | 使用不可 |
上塗り可能時間(時間) | 18 | 15 | 12 | 12 | - |
歩行可能時間(時間) | 24 | 24 | 24 | 20 | - |
重作業可能時間(時間) | 72 | 48 | 48 | 40 | - |
おわりに
硬化促進剤を使用するに当たって注意する事はいくつかありますが、
適正に使用すると低温時の施工で強い味方になります。
低温時でどうしても施工しなければならない現場がありましたら
是非是非、便利に効果的に使ってみてくださいね!