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塗料の基礎知識
2025/01/14

寒さに負けない!冬場に起こりやすい塗装トラブルと対策完全ガイド❄️

管理者用
ピックアップ商品紹介!

はじめに

年が明け、寒さが一層身に染みる毎日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
人間にとっても塗料にとっても【気温】は非常に重要で、
暑すぎても寒すぎても支障をきたす場合があります。
一番いいのは適温で塗装をすること。
ですが、日本には四季がありますので、
過酷な気温下でも塗装をしなければならないこともあります。

そこで!
今回は寒さ(気温の低さ)が原因で起きる不具合事例と対策方法をご紹介します。
本当に寒さが厳しい時、ぜひ参考にしてみてください!

冬場に起こりやすい不具合とは?

気温が低いときに発生しやすい不具合は下記のとおりです。

① 1液タイプの塗料が乾かない
② 2液タイプ(A液・B液)の塗料を撹拌機で混ぜ、塗装したが乾かない
③ 塗膜が白化してしまう
④ 塗料が固い

皆様も、お悩みになったことがあるではないでしょうか?
では、次項で対処方法について説明しましょう。

不具合別対処方法

1液タイプの塗料が乾かない

不具合詳細

水性塗料(エマルジョン塗料)は、塗装後に水分が蒸発して、
エマルジョン粒子同士がくっついて塗膜となります。
しかし、低温条件下で施工した場合、水分が蒸発しないため乾ききらず、
塗膜にならない場合や白化現象が起こる可能性があります。

塗膜の造膜不良の様子

対処法

5℃以下の場合は施工しないことがもちろん理想です。
しかし、施工せざるを得ない場合は、換気をしっかりとし、風通しを良くし、
充分乾燥させられる環境を整えてください。
また、冬期は夜露・結露の発生が考えられるので、
午後3時以降は作業をしないようにしましょう。
もし結露している部位に塗装する場合は、ウエスなどで拭き取り、
乾燥してから塗装して下さい。
乾燥が不十分な場合、密着不良の原因になります。

2液タイプ(A液・B液)の塗料を撹拌機で混ぜ、塗装したが乾かない!

不具合詳細

反応硬化型塗料の場合、5℃以下で施工すると反応が遅くなり、
艶引けやしわの発生、軟化など塗膜不良が発生することがあります。

硬化不良の様子


しわが発生してしまった様子


対処法

塗膜物性は施工時の環境条件で大きく変わるので、
屋内の場合は気温を上げるなどの対処が必要です。
また、低温下の場合は、乾燥が遅くなるので、換気をしっかりとし、風通しを良くし、
充分乾燥させられる環境を整えてください。
低温時においては、専用の硬化促進剤がある場合は、使用をおすすめします。

塗膜が白化してしまった!

不具合詳細

塗装後、冬期は特に乾燥するまでに時間がかかるため、
水分の影響による白化現象や、塗膜の表面が荒れて艶が引けてしまう現象が
発生することがあります。

白化が起きてしまった様子


クリヤー塗料が白化してしまうとこうなります。


エポキシ系塗料の白化現象(アミンブラッシング)

対処法

基本的には、塗膜が乾くまで、降雨や夜露を避けるようにしてください。
「雨が降る」とわかっている時は、施工はしないでください。

塗料が固い!

不具合詳細

「いつもはローラーで転がせたのに全然伸びない!」
特に、厚膜塗料を冬場に施工する際に、多く見られる現象です。

対処法

塗料の粘度を下げるために専用の希釈剤を使用し、作業性を改善させる必要があります。
ただし、添加しすぎると、塗膜のべたつき・軟化などが発生したり、
本来の物性を確保できなかったりすることがあります。
そのため、必ずその塗料専用の希釈剤を使用し、決められた添加量を守ってください。

低温時の塗料の増粘

おわりに

冬場もあらゆるリスクがありますが、無事施工を完了するために
参考にして頂ければ幸いです。
また、施工環境に不安が残る場合は、いつでも東日本塗料までご連絡ください!

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