下地が荒れているときの下地処理やプライマーだけでは不安な時はどうしたらいい?~フローンパウダーの効果~
管理者用
はじめに
プライマーと組み合わせることで下地との密着性能を上げたり、
下地からのピンホールを止めたり、上塗り塗料との密着性を向上させたりと、
「かゆいところに手が届く」(!)製品となっております。
パウダーについては、下記でも触れております。
「防水材のプライマーが多くて覚えられない!」にお応えします!どの下地にどのプライマーを使えばいい?
「プライマーってどんなものがあったっけ?」という方の為に、下記のリンクから
過去記事をご覧頂けます!
プライマーって重要!実はプライマーを塗ることには多くのメリットが!~内外装におけるプライマー~
そもそもフローンパウダーとは?
弊社では、15㎏と5㎏のものをご用意しております。
フローンパウダーの成分的なお話
ポルトランドセメントを主成分にした灰色の粉末です。
プライマーと混合して使用します。
ポルトランドセメントとは、コンクリートやモルタルを作るための材料の1つで、
通常、水・セメント砂・砂利を一定の割合で混合して使用します。
土木や建築物の材料で使われるセメントといえば、このポルトランドセメントを指します。
このポルトランドセメントを主成分としてでできているフローンパウダーと、
プライマーを混合することで、
「ポルトランドセメントの堅さと遮断効果」と「プライマーの緻密な塗膜」の
両者のいいとこどりをしようというのが、この製品の特長です!
※ 紹介のために素手で触っておりますが、実際には素手では触れないでください。
実際のフローンパウダーの見た目は、このような細かい灰色の粉末です。
上記のようにとても細かい粉末で、
息を強く吹きかけると「ブワッ」とパウダーが舞うくらいの細かさです。
この粉末の細かさが、下地の通気を止めるフタの役割を果たします。
ではどんな時にフローンパウダーを使えばいいの?
「下地が荒れているのでキッチリ下地処理をしたい」
「プライマーだけでは不安」
という時に使用します。
後述しますが、フローンパウダーはプライマーに混ぜるだけなので、簡単!
手軽に、より強固な塗膜を手に入れるためには、
フローンパウダーは非常に効果的なのです!
フローンパウダーのメリット
上記ではフローンパウダーの実際の姿を確認していただきました。
次に、フローンプライマーのメリットと、
実際にどう仕上がるのか?をご紹介いたします!
特長その①:プライマーと組み合わせて密着性をUP!
ウレタン防水塗膜の塗替え用のプライマーは、
「フローンプライマーUS」を推奨しておりますが、
フローンパウダーを混ぜることで、対応可能下地の幅が広がります。
使用方法も、プライマーに必要量を添加してよく混ぜるだけでOK!簡単です。
これによりウレタン防水塗膜の塗替えの他に、
合成ゴムシートや塩ビシート等シート防水へのトップコート塗替にも
対応できるようになります。
↑↑これはゴムシート防水
↑↑これは塩ビシート防水
※注意事項※
シート防水面の改修で使用する場合は、
種類によってフローンパウダーの混合率が異なります。
詳細はシートトップシリーズのカタログをご参照の上、ご使用下さい。
特長その②:下地コンクリート・モルタルの通気を防ぐ
フローンパウダーの粒子がコンクリート・モルタルの巣穴をふさぐことにより、
通気による中塗り・トップコートのフクレを防ぐことができます。
また、吸い込みが激しい下地でもフローンパウダーを混ぜて施工することで、
下塗りの回数を減らし、しっかりとしたプライマー層を作ることができます。
ここで、実際の塗装イメージを写真で確認してみましょう。
プライマーを塗る前のケイカル板
吸い込みの激しい下地(写真はケイカル板)にプライマーを塗装すると
2回では吸い込みが止まらないことがあります。
ここで、フローンパウダーの出番となります。
フローンプライマーUSとフロンパウダーを混合し、中毛ローラーで塗装
フローンパウダーとプライマーを良く混合したら、
後は普通のプライマーと同じ方法で塗装するだけ!
写真では中毛ローラーで塗装していますが、フローンパウダーを混ぜたことで、
プライマーの透明色から茶色い泥水(!)のような見た目に変わります。
塗装後、乾燥した後の状態
仕上りはこちら。乾燥して灰色のザラザラした層が出来上がります。
実際に触ってみると、下地の上にセメント層の厚みが確認できます。
プライマー単体では出せないこの遮断層によって、下地からの通気を防ぎます。
特長その③:荒れた下地の補強に
フローンパウダーの主成分は先述の通り、セメントです。
プライマーと混ぜることで、セメントとプライマーが一体化し、
より強固な塗膜を形成します。
特長その④ 上塗り塗料との密着性をUP!
フローンパウダーを混ぜて作ったプライマー層は、
パウダーの細かい粒々により、表面がザラザラとした触感となります。
これにより通常のプライマーより表面積が大きくなり、
トップコートの密着性が良くなります。
こちらをご覧ください。
プライマー | 適用可否 | プライマー | 適用可否 |
フローンプライマーH | 〇 | フローンプライマーSP | 〇 |
フローンプライマーU2 | 〇 | フローンエコプラ速乾 | 〇 |
フローンプライマーUS | 〇 | ハイフローンプライマー | × |
フローン速乾プライマー | 〇 | カチオン浸透エポプライマー | × |
フローンパウダーと一緒に使えるプライマーはこちらです。
床用プライマー、防水用プライマー幅広く使用して頂くことが可能です。
フローンパウダーについて、使用方法等の詳しい情報を確認したい方は、
下記カタログからご確認いただけますので、ぜひご覧ください。
特長その⑤:様々な不具合の補修に
他にも、様々な不具合が発生した際にも使うことができます。
下記リンクをご覧くださいませ。
「防水材がフクレてしまった!なんで?どうしたらよかったの(泣)?」~防水材不具合シリーズ第1弾~
「防水材が乾かない!なんで?どうしたらよかったの(泣)?」~防水材不具合シリーズ第2弾~
「防水材に泡やピンホールが発生してしまった(泣)!」~防水材不具合シリーズ第3弾~
フローンパウダーの使い方
上述しておりますが、フローンパウダーはプライマーに混ぜればよいので簡単です。
【使い方】
プライマー:フローンパウダーの割合が、1:0.5~1(重量比)となるように計量します。
そして、プライマーに混ぜ、電動撹拌機で撹拌します。
その後は、中毛ローラーで塗布するのですが、
途中、容器の中でパウダーが沈んでしまうことがあります。
その際は、中毛ローラーで掘り起こすように撹拌しながら塗布します。
詳しくは、各プライマーのカタログをご参照ください。
※注意事項※
シート防水面の改修用に使用する場合は、状況によって混合率が変わります。
シートトップのカタログをご参照の上、ご使用ください。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
前回のプライマーから引き続き、プライマーの性能を120%引き出す
フローンパウダーについてご理解いただけましたら幸いです!
「ちょっと次の現場で使ってみようかな」とご興味がある場合や、
「こんな場合は使えるの?」等のご質問があれば、
是非!お気軽にお問い合わせ下さいませ。
関連リンク
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